• 舁き山と子ども山笠がまちを駆ける「祇園祭」【西戸崎校区】

    2025-07-30

    7月20日(日)に西戸崎伝統の夏祭り「祇園祭」が開催されました。今年は、6年ぶりとなる「子ども山笠」が復活。コロナ禍による祭りの休止が続いた後、久しぶりに大人と子どもによる両山笠がそろってまちを駆け抜け、「オイサ、オイサ」の掛け声もよりにぎやかに、西戸崎に以前のような活気が戻ってきました。



    100年以上の歴史を誇る西戸崎祇園山笠は、西戸崎神社に山笠を奉納し、無病息災を願う神事です。かつては複数の流(ながれ)があったそうですが、現在では一つの山笠を約100名の男衆が交代で担ぎ、町中を一周するおよそ3kmのコースを1時間15分かけて巡ります。博多祇園山笠の追い山が約5kmを30分ほどで駆け抜けるのに対し、西戸崎祇園山笠が1時間以上かかるのは、コース途中の8か所で休憩を挟みながら山笠を舁くため。この独特のスタイルは西戸崎ならではの風習で、担ぎ手以外の住民も沿道で声援を送り、ともに走ったり写真を撮ったりと、それぞれの形で関わりながら地域全体で祭りを盛り上げます。



    舁き山のスタートは15時59分。それに合わせて、子どもたちも神社の境内に集まり、受付を済ませてスタンバイします。小学1年生から6年生までが学年ごとに色分けされたカラーバンドを手首に巻き、それぞれの担当コースや運行ルールを確認しながら、ワクワクした表情で出発の時を待ちます。子ども山笠は6年ぶりの運行ということで、参加する子どもたちのほとんどが、山笠を曳くのは初めての経験です。山笠の飾り付けも子どもたちの手作りで、今年は「星のカービィ」をモチーフに、「We♡SAITOZAKI」と題したメッセージをたくさん貼り付け、カラフルでにぎやかな仕上がりとなりました。



    また、今年は新たな試みとして、これまで大人のみで運行していた舁き山に、小学6年生の6名が加わりました。子どもたちは、山笠の台の上から舁き手を指揮する「台上がり」と、招き板を持って山笠の前方を走る「先走り」という大役を務めます。とくに「台上がり」は、休憩所までの各区間で1名しか乗ることができず、大人でもなかなか経験できない花形のポジション。「今年は子どもが台に乗るけん」「それは見ものやね」「よかね〜」と、観客の期待も高まるなか、いよいよ「ドン!」と太鼓の音を合図に、舁き山が走り出しました。



    舁き山は、西戸崎神社手前の約70m地点から走り出し、神社正面で一旦立ち止まって、全員で「祝いめでた」を歌います。続いて、その後方から子ども山笠もスタート。沿道からは勢い水と歓声が飛び交い、子どもたちは元気な掛け声を響かせながら、力を合わせて山笠の綱を曳いて走りました。



    参加した子どもは、「水を浴びながら走るのが楽しかったです」「大人と一緒に舁き山に参加できて、誇らしい気持ちです」「忘れられない思い出ができました」と話していました。