• 千早駅近くの高架下通路に色彩豊かな壁画が完成!「孤悲(こい)の壁」【舞松原校区】

    2025-05-07

    舞松原校区の水谷自治会では、町内にある暗い高架下通路を、安全で心豊かな場所に生まれ変わらせるため、「『命短し恋せよ乙女』孤悲(こい)の壁 制作プロジェクト」を進めてきました。


    このプロジェクトは、自治会役員をはじめ、通路の近くにある博多高校の書道部・イラスト部の生徒たちが協力して、壁の落書きを塗りつぶし、万葉集などから厳選した「孤悲(こい)=恋」に関する和歌16首と、それにちなんだイラストを描くというものです。企画から制作まで一年をかけて進められた「孤悲(こい)の壁」が、この春ついに完成し、4月29日(火・祝)にお披露目会が開催されました。



    「孤悲(こい)の壁」と名付けられた壁画は、JR千早駅東口の近く、水谷2丁目の国道3号線高架下通路トンネルにあります。駅前の通りから少し奥まった場所にあり、これまでは落書きが多く、暗くてどこか寂しい雰囲気のある場所でした。水谷自治会の山下会長は、「毎日この道を通るたびに、壁をきれいにして、地域の人たちが安心して通れるようにしたいと、ずっと思っていました」と語ります。そんな思いから「壁に和歌を描いてはどうか」というアイデアが生まれ、博多高校の書道部とイラスト部に協力を依頼。快く引き受けてもらったことで、今回のプロジェクトが実現しました。




    まず、全長32メートルの壁の汚れやカビを落とし、雨だれ防止のための溝を設ける作業から始まりました。次に、落書きの上から何度も塗装を重ねて下塗りを行い、いよいよ和歌の制作へ。「下書きなしの一発勝負。完成形を思い描きながら、一文字ずつ集中して書きました」と語るのは書道部の生徒さん。その後、各和歌にちなんだイラストが、イラスト部によって丁寧に描かれていきました。制作の途中には、保育園の園児たちが見学に訪れたり、地域の方々から「出来上がりが楽しみです」と声をかけられたりと、生徒さんたちにとって励みになったそうです。



    こうして完成した「孤悲(こい)の壁」は、通路全体を明るく、温かみのある空間へと生まれ変わらせました。お披露目会には、地域住民や自治会、博多高校の関係者など約100名が参加し、会長や来賓のあいさつ、生徒さんの紹介、ガラポン抽選会などが行われ、にぎやかに完成を祝いました。