2024-02-08
令和6年1月27日(土曜日)に、筑紫丘2丁目自治会主催の自主防災訓練が、筑紫丘公民館横の次源田池で行われました。会場には子どもから大人まで約90名が集まり、「煙道歩行訓練」、「マンホールトイレ体験」、「水消火器訓練」をそれぞれ体験しました。
当日は、福岡市レクリエーション協会から講師を招き、防災講座(災害時のお役立ち情報)や、ピザづくり(災害時の食事)の指導も受けました。
参加者はまず、ピザの生地づくりに取り組みました。各自、小麦粉入りのビニール袋を受け取り、それに少量の水とオイルを加え、ビニール袋をしばらく揉みます。
その作業をしながら防災講座に参加し、カット綿や牛乳パックに着火させる火起こしや断水時の応急トイレづくりについて説明を受けました。
その後、火起こし体験としてファイヤースターターという金属の道具をこすり合わせて、火花を出すことに挑戦。最初はなかなかうまくいかず悪戦苦闘していましたが、だんだんコツをつかみ、ついに火花を出せるようになると、体験した子どもも大人も「やった」と歓声を上げていました。
参加者は、ピザ生地を体温で発酵させるため、生地入りのビニール袋を衣服のポケットなどに入れ、3つのグループに分かれて訓練開始。3つの訓練個所を時間差で順番に回りました。
「煙道歩行訓練」は公民館の研修室で行われ、(体に害のない)煙が充満している部屋を低姿勢で壁に沿って移動し、部屋から脱出しました。
「マンホールトイレ体験」は会場近くの公園で行われ、公園脇のマンホール上に災害用の仮設トイレを設置し、使い方の説明を受け、マンホール下の下水道を実際に水が流れる様子を確認しました。
参加者の女性は「近くに住んでいますが、災害用のマンホールトイレが用意されているとは知りませんでした。ためになったので子どもと一緒に参加してよかったです」と話していました。
「水消火器訓練」は次源田池で行われ、「ピ(ピンを抜く)・ノ(ノズルを持つ)・キ(距離をとる)・オ(レバーを押す)」を合言葉に消火器の使い方を学び、「火事だ!」と大声を出して、標的に向かって消火器の水を噴射しました。
訓練の後は、ピザづくりの続きです。程よく固まったピザ生地を薄くのばし、そこに具材やチーズをトッピングし、レンガ造りの窯に入れて待つこと約5分。手づくりピザの出来上がりです。
飲み物もあり、コーンスープや、紅茶を牛乳で煮出しスパイスや砂糖を加えて作った熱々のチャイも用意されていました。その日はとても寒かったこともあり、温かい食事のありがたさを皆で実感しました。
食後、子どもたちは寒さをものともせず、ニュースポーツのモルック(※1)で大いに盛り上がりました。
参加者の食事が済んで約2時間半に及ぶ訓練は無事終了し、参加者は、お土産に非常食の備蓄用パンなどを持ち帰りました。
この日の訓練に参加した博多あん・あんリーダー会(※2)の因幡さんは「災害時には地域のつながりが大切になります。あたたかい街は、災害に強い街です。町内会長さんが地域や公民館と連携してチームを引っ張ってくださり、大人が楽しそうに学ぶことで、子供たちも背中を見て参加してくれます。知る機会があれば、いざという時に知っている人が周りの人に教えられる。たくさんの人が助かります。地域に守られていることを知り、子どもから高齢の方までみんなの世代で工夫しながら防災について考えるきっかけになればと思います」と話されていました。
主催者で、防災士の資格も持つ波多江自治会長は「いざという時に町内で信頼し合い、助け合える地域の絆づくりを軸に、自主防災訓練を2017年から行っています。あいにくコロナでしばらくの間、訓練が中止になっていましたが5年ぶりに開催できました。自治会の役員だけでなく、体育振興会、交通安全推進委員会、社会福祉協議会、男女共同参画協議会、小・中学校PTA、その他、各部長が全員スタッフとして参加してくれました。声をかけ、自分から発信し、信用できる仲間づくりをして地域の力を高めていくことを大切にしています」と地域ぐるみの訓練の意義を笑顔で語っていました。
※1 モルック・・・モルックという木の棒を投げ、スキットルという1~12の数字が書いてある木製のピンを倒し、合計得点50点を目指すスポーツ。2チームでの対抗戦。
※2 博多あん・あんリーダー会・・・福岡市主催の防災学習課程「博多あん・あん塾」を終了した「博多あん・あんリーダー」のネットワーク。会員相互のネットワークを活かしながら、「地域の防災力向上」を目指して活動。