2023-11-29
11月25日(土)に箱崎小学校体育館で「箱崎伝統文化公演会」が行われました。
この公演会を主催する箱崎伝統文化保存会は、箱崎の伝統文化を住民自らの手で次世代へ継承していくための活動に取り組んでおり、例年11月開催の箱崎伝統文化公演会は今年で第20回を迎えます。4年ぶりにコロナ以前と同じプログラムで、筥崎宮伶人座(れいじんざ)による雅楽、箱崎太鼓と箱崎子ども太鼓、博多仁和加が披露されました。
筥崎宮に3座ある伶人座のうち、「箱崎組」が出演。狩衣(かりぎぬ)と呼ばれる白い装束に身を包んだ12名の伶人(演奏者)が登場し、日頃あまり目にすることのない音合わせ「音取り(ねとり)」の披露や各楽器の紹介のあと、雅楽の代表的な曲目である「越天楽(えてんらく)」と「皇麞急(おうじょうのきゅう)」の2曲を演奏。笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)、太鼓、鞨鼓(かっこ)、鉦鼓(しょうこ)など雅楽特有の楽器が奏でる繊細で美しい音色を響かせました。
箱崎の新しい文化を推進するために組織された「箱崎太鼓組」は、平成15(2003)年に設立委員会が発足し、その翌年から本格的に活動を開始。現在、校区の夏祭りや将軍地蔵尊「大施餓鬼(おせがき)」などで太鼓演奏を披露しています。この日は法被姿の8名がバチさばきも鮮やかに、大太鼓や小太鼓を合わせた演奏を4曲行い、迫力ある和太鼓の響きが観客を魅了しました。
箱崎太鼓組の設立に続いて、平成17(2005)年に組織された「箱崎子ども太鼓」。箱崎校区の小学生を中心に活動しており、箱崎宮の乙子様、天神さまの人形飾り、校区の夏祭りなどに出演しています。公演会の舞台では、中学生も含めて17名の奏者が並び、小太鼓や笛の軽快なリズムに合わせて、力強く太鼓を打ち鳴らしました。
博多仁和加は、独特の半面をかぶって博多弁でしゃべり、最後に軽妙な落としで結ぶ伝統芸能。箱崎には、明治30年ごろに結成された「箱善組」という博多仁和加の組があり、その歴史と伝統を引き継ぐために、箱崎伝統文化保存会の設立に伴って「箱崎にわか倶楽部」が新設されました。箱崎にわか倶楽部は、一人で演じる「一口にわか」、劇仕立ての「段もの仁和加」を得意とし、今回の公演会では7名による一口にわかと段もの仁和加「借りもの間違い」を披露。古くから伝わる定番ネタもあれば、最近の時事を風刺したネタもあり、次々と繰り出される巧みな話芸に会場は笑いに包まれました。