福岡市の研修講師派遣事業として、11月27日(木)、野芥小学校で「子どもの声、どうやって聴く」が開催されました。講師は弁護士・社会福祉士の安孫子健輔さんで、野芥小学校のPTAや保護者のみなさんが参加しました。
講師:安孫子健輔さんのプロフィール

弁護士・社会福祉士・NPO法人子どもアドボカシーセンター福岡理事長
子どもの権利やアドボカシーの実践・制度づくりに取り組み、全国で研修や支援活動を行っている。
安孫子さんはまず、「子どもの権利条約」と、そこから導かれる4つの一般原則について紹介しました。なかでも、「子どもの最善の利益」(第3条)と「意見表明権」(第12条)の2つがポイントで、「子どものため」を大人が決めざるを得ない一方で、その過程で子どもの声をきちんと聴くことが不可欠であると説明しました。
ヘアドネーションをめぐる親子のすれ違いの例や、重い虐待事例などを通して、「安全を守る判断」と「本人の気持ちを聴くこと」のどちらか一方ではなく、両方の軸から考える大切さが語られました。

また、子どもの声を聴く役割を「先生や専門職」「保護者や地域の大人」「友だち・仲間」などジグソーパズルのピースにたとえ、一人の子が「誰にも話せない」状態にならないよう、周りの大人や支援者が多面的に声が聴かれる環境をつくることが「子どもアドボカシー」だと紹介。

子どもの話を聴くときには、評価や助言を急がず、「子どもの世界を一緒に漂うように」寄り添う姿勢が大切であること、そしてそのためには、大人自身に「時間・場所・気持ちの余裕」が必要であり、それは家庭や学校、地域、制度全体で支えていく課題であると投げかけました。

参加者の声
参加者からは、「子どもの話を聴くことは一人では抱えきれないことも多く、周りの力を借りる大切さに気づいた」「親子関係だけでなく、職場など大人同士の人間関係にも通じる内容で、成人教育としても意義深い講座だった」といった感想が聞かれました。
講座の詳しい内容や参加者インタビューの様子は、福岡チャンネルで公開している動画でもご覧いただけます。
「講師派遣事業」のお問い合わせ先
部署:早良区 総務部 地域支援課 振興係 こども育成調査アドバイザー
住所:福岡市早良区百道2丁目1の1
電話番号:092-833-4403
FAX:851-2680
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